初心者のためのパソコン選び
◆ 視覚障害者がパソコンを始めるために、まずどのような機種やソフトを選べばいいのか、そしてその価格はどれぐらいなのか整理してみました
必要な機器
パソコン
パソコンは、その形によって 据え置き型のデスクトップPCと持ち運びができるノートPCの2種類があります。使用する用途によって選択してください。両方を使い分けて使っている人も多くいます。
ノートPCはキーボードの配列が機種によって微妙に違っていたりキーピッチが狭いなど、とくに視覚障害の初心者では少し使いにくいところもありますので設置場所に余裕があれば、最初はデスクトップPCをおすすめします。
価格は8万円前後から
ディスプレイ
視覚障害なのでディスプレイはいらないという人もいますが、パソコン操作にトラブルはつきものですし、パソコンソフトの多くは画面を見て操作することを前提に作られています。
音声ソフトを使えば全てを音声で確認できるということではありませんし、画面が見えないと状況が全くわからなくなることは常に起こります。 そういうときは誰かに画面を見てもらう必要がありますから、そういうときのためにディスプレイは必須です。
価格は2万円ぐらいから
プリンタ/スキャナ
とくに文書を印刷する用途はなくても、できれば一緒に設置しておくことをおすすめします。あとで設置するとドライバーのインストールや動作確認などの作業が必要になります。これまで私が設置したユーザーの方々の中には、印刷なんかはしないから・という人もいましたが、しだいにパソコンに慣れてくるにしたがって、年賀状を自分で書いてみたい・目の見える友達に手紙を書きたい、仕事のチラシなども印刷したい・・というように、やりたいこと/できることが増えてきます。
スキャナーはOCRソフトで印刷文書を読むときに必要になります。
一般書籍やどこかから届いた手紙やお知らせなどは、これまでは誰かに見てもらわなければならなかったですが、OCRソフトを使うと、これらを音声で読むことができるようになります。手書きの文字などは読めませんが活字であればほとんどの文字を読むことができます。
このごろではプリンタとスキャナーが一緒になった複合機が多く出回っています。
価格は1万円ぐらいから
ソフトウエア
音声ソフト(スクリーンリーダー)
音声ソフトはスクリーンリーダーとも呼ばれています。 一般には文書を読み上げるもの・というイメージがあるようですが、文書だけでなく Windowsのメニューやコントロールなど Windowsのシステム情報を音声で読み上げるソフトなので間違えないようにしてください。
価格は4万円前後から20万円ぐらい
音声ソフトを入れても市販されているほとんどのソフトは使えないと考えるほうがいいでしょう。それは市販されているソフトの開発メーカーや製作者は音声ソフトを考慮してソフトを作ってはいないからです。
とはいえ種類こそ少ないですが、一般のインターネットやメール・事務仕事などに対応したソフトが音声専用として販売されていますので最初は安心して使えるこれらのソフトを用途に応じて使うことをおすすめします。
現在 下記のような種類のソフトが音声対応として販売されています。
- 1.ホームページ閲覧ソフト
- 2.メールソフト
- 3.OCRソフト
- 4.ワープロソフト
- 5.ニュースやblog情報などの閲覧ソフト
- 6.辞書閲覧ソフト
- 7.点訳図書閲覧ソフト
- 8.音声録音再生ソフト
- 9.家計簿ソフト
- 10.住所録/年賀状作成ソフト
- 11.セキュリティソフト
そのほかにもありますがパソコンに慣れてきたら用途に応じたものを検討するといいでしょう。
価格はさまざまですが音声対応ソフトは2万円ぐらいからと市販ソフトに比べて割高です。
そのほか
パソコンを使い慣れるにしたがって、たとえば住所録や仕事のデータ、趣味の情報、また各種パスワードやIDなどの個人データがパソコンに蓄積されていきますが、これらが記録されているのはパソコン内部のハードディスクという部品です。
このハードディスクはその寿命が5年と言われていますし、静電気や衝撃に弱く、しかも常に高速回転しているので最も壊れやすい部品でもあります。
大事なデータは、別のハードディスクに同じ内容で保存しておけば万が一のトラブルでも安心です。バックアップ用のハードディスクを設置しておくことをおすすめします。
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