コマンド操作は便利!
Comadosのコマンド操作は便利です。
Copyright(c) K.Nishio 2003/06/01
Comadosは視覚障害者が音声を聞きながらパソコンを快適に操作するためのソフトです。
Comadosは こんなときに便利です。
◆ 特定の文字を含んだファイルヲ探す
たとえばADSLの設定に関するデータを知りたいときがあります。 きちんとデータベースで管理してあればいいのですが、ファイルに保存してフォルダに入れたままになっていることは多々あります。 後で必要になって探すのですが、どれがそのファイルだったか忘れていたりすると、一つずつひらいて文字列検索しながら探すことになります。すごーく面倒ですよね。
そんなときは文書保存フォルダに移動して、Comadosのコマンドウインドウで ”sr ADSL”と入力して実行してみてください。 指定したキーワードを含んだファイルの一覧がリストボックスに表示されます。 あとはそこからじっくり目的のファイルヲ探してください。
◆ 簡易データベース
電話帳とか住所録などは専用データベースやEXCELなどで管理しておけば、それなりに便利ですが、用途によってはテキスト文書で管理するほうが楽な場合があります。
たとえば電話帳や何かのユーザーID、お友達の誕生日など、ちょっと記録しておきたい情報はわりと多いです。
そんなときはEXCELなど巨大なソフトよりはComadosの簡易データベース機能が役立ちます。
ともかく、キーワード+データを1行にしたテキストファイルを作っておくだけです。
例: nishio 西尾さんの誕生日は5月3日です。
というように 1行を1データとしていくらでも書いていってください。 1データは キーワード(半角文字)+半角スペース+データ本文+改行 という構成です。
あとはComadosのコマンドウインドウから ”db nishio”と実行するとキーワードに一致したデータが全て表示されます。 このとき ”db ni”のように入力するとこの文字で始まるキーワードが検索されます。 キーワードが思い出せないことって多いですよね。
◆ 並べ替え(ソート)
上の簡易データベースのデータヲ並べ替えるために作った機能ですが、一般のテキストデータならどれでも並べ替えることができます。
Comadosのコマンドウインドウから
”sort ファイル名” と実行すると、指定したファイルのデータヲ並べ替えて結果をComadosのページャーに表示します。 これで状態を確認してください。
次に”sort 元のファイル名 作成するファイル名”と実行すると、並べ替えた結果が新しいファイルに保存されます。
元のファイルと新しいファイルは別の名前でなければなりません。 これは万が一の場合を考慮してデータを保護するためです。
◆ ツリービュー
自分でフォルダやファイルなどを管理できるようになると、あちこちのフォルダを探検してみたくなります。 また筆者はドットネット環境でc#で開発をしていますが、必要なツールやライブラリは c:\windows\Microsoft.NET\Framework\v1.1.4322などという複雑なフォルダに入っているので、そこに行くのは大変です。
そんなときはComadosのコマンドウインドウで ”tree”と実行してください。
左右カーソルでフォルダに入る/出る。
上下カーソルで現在のフォルダの中にあるフォルダだけを移動します。
ともかくフォルダだけしか表示しないのとカーソルキーだけで移動ができるので、すばやく目的の場所に到達できます。 到達したらエンターキーでファイラーになります。
◆ 自分でコマンドが作れる。
Comadosにはユーザーコマンド機能があります。 これは、よく使うコマンドや操作を Comados.iniに登録しておくことでいちいち移動したりする手間を省略することができる機能です。
たとえば
set_command=hoken,ed c:\database\kal\kalte08.txt
のように登録しておくと、どこにいても ”hoken”と実行するだけで上のように8月分のカルテデータをエディターでひらくことができます。 もちろんメールソフトを直接ひらいたりすることもできます。
まだまだたくさんありますが、とりあえず以上です。
Comadosの内部コマンド説明
内部コマンドは「comados」があらかじめ持っているコマンドです。
コマンドウインドウで下記に説明するコマンドを入力してエンターすると、それぞれの機能が実行されます。各コマンドにはパラメータが必要なものとそうでないものがあります。 パラメータとはコマンドを制御する引数ともいいます。
コマンドに続けて半角スペースの後にパラメータを書き込みます。
例: search ADSLモデム *.txt
この場合 search はコマンドです(srでもかまいません)。
その後に続く文字がパラメータです。
「ADSLモデム」 は検索する文字列
「*.txt」は検索するファイルを指定しています、この場合は拡張子がtxtというファイル全てが検索対象となります。 ワイルドカードについてはMS−DOSコマンドのページなどで調べてください。
以下それぞれ説明します
mk または make: 開発用コマンド
カレントディレクトリに makefile.txtというファイルがあれば、それをひらいて1行目のコマンドを実行します。 コマンドラインコンパイラの実行と同じですので複雑なことはできません。
ls : ファイラー
パラメータ: 指定がなければすべてのファイルとフォルダ名を表示します、ワイルドカードが使えます。 例: ls *.txt など。
なお lsコマンドでは、ファイルのサイズやタイムスタンプは表示しません。
dir : ファイル名とサイズ・タイムスタンプを表示してファイラーに移動
パラメータ: 指定がなければすべてのファイル名とフォルダ名を表示します、ワイルドカードが使えます。
cd : ディレクトリを移動
パラメータ: 移動先ディレクトリ名、ひとつ上のフォルダに移動するには cd ..を使い、ルートに移動するには\を使います、DOSと違い、必ずスペースをあけて記述してください。
一発移動するならツリービューを使うかフォルダ名を直接入力するのが早いです。
例: c:\windows\ を実行するとwindowsフォルダに移動
例) \\nx\windows\ を実行するとNXという名前のネットワークPCのwindowsフォルダに移動します。
md : 新しいフォルダを作成
パラメータ: 作成するフォルダ名 すでにあるフォルダ名ではエラーとなります。
del : ファイルおよびフォルダの削除
パラメータ: 削除するファイル名/フォルダ名。 フォルダの場合は内部の全てが削除されるので注意!
cp: ファイルコピー
パラメータ: 「ファイル名」 「送り先ドライブパス」 ワイルドカードが使えます。
ren: ファイル名変更
パラメータ: 「旧ファイル名」 「新しいファイル名」
type 文書ファイル表示
パラメータ: 文書ファイル名
該当ファイルヲページャーに表示して読みます。
db または dbs: キーワードデータの検索実行
パラメータ: 検索キーワード
例: db nishio
comados.iniの set_database= で指定したデータファイルからキーワードで検索します。
検索結果がページャーに表示されます。
dbsコマンドではデータ内部の文字も検索します。
データベースファイルの書式については後述します。
ed : 登録したエディターを起動
パラメータ: 編集するファイル名。 省略した場合は無題というファイル名でオープンします。
エディターの登録はcomados.iniのset_editor=で指定します。
lha/zip/cab : lzh/zip/cab形式の圧縮ファイルを処理します。
パラメータなどはそれぞれのマニュアルを参考にしてください。
パラメータ: LHA.EXE、zip.exeと同じ。
search または sr: 文字列検索
パラメータ: 「検索する文字列」 「検索するファイル名」
特定の文字列を含んだファイルを探します。 ファイル名にはワイルドカードが使えます、ファイル名を省略すると、カレントフォルダ内の全てのファイルが対象になります。
検索結果はファイラーに表示されるので、後はエディターなどで細かく探してください。
tree : ツリービューに移動します
パラメータ: なし。
長いフォルダ名や奥深いフォルダに移動するときは、これが便利です。 カーソルキーだけで移動します。
password : ユーザーIDを登録します。
パラメータ: ユーザーID