ベートーベン on my hands vol2【私を動かす鼓動 テンペスト】

私を動かす鼓動


販売終了しました。

【 曲目 】 試聴できます♪

■  録音スタッフからの解説

Yorikoのピアノはクラシックピアノという枠を超えて聞こえる。
熱くて悲しくてダークで激しくて不安定で・まるでロックやジャズやソウルミュージックのようにも感じられる。
これまでのクラシック音楽は残念ながら多くの若者たちの心を揺さぶることをしてこなかった。Yorikoが表現するピアノ音楽がより多くの若者たちの心に響いてくれたら素敵だと思う。

■ 製作スタッフ

Piano Yoriko
Photo Tatsuya okimoto
Design Yasuyo tanioka
Record Studio GlanBlue ogikubo
Planner Kenichi nishio
price \1300.

■ 楽曲解説

【ピアノソナタ第17番 「テンペスト」 d moll】

 ベートーベンはとても不安定に生きた人であった。
満たされない母性愛・病気・いつか音が聞こえなくなるかもしれない不安・こんな苦悩の中でそれらと向かい合って生きるためには時として自分を貫きとおすことも必要だったのだろう。
 オーストリアに攻め入ったフランス革命軍の将校たちがリヒノフスキー代皇に招かれ、その席で大皇から彼らのためにピアノを弾くように頼まれたのだが、ベートーベンは頑として抵抗した。尊敬しスポンサーでもあったリヒノフスキー大皇にそむき、そこを飛び出して夜の雨の中を何kmも歩いて自宅に帰ってしまった・とある。
 「あんなやつらのために弾きたくない!」怒りと悲しみと寒さの中で自分を貫いて歩き続けたベートーベンの思いが、Yoriko特有な激しいピアノから叩きつけられてくる。

【ピアノソナタ第8番 「悲愴」 c moll】

 多くの解説書などにはこの曲のタイトルである「悲愴」はベートーベンが自分の聴覚障害を悲しんで自らつけた・とあるけれど、この曲のどこにもそういう悲しいフレーズを感じられない。むしろハイドンやモーツァルトにはなかった自分だけの形を作るのだ!そんな気持ちの高揚に溢れている。
若いベートーベンが次から次へと溢れてくるかっこいいフレーズを夢中で書き留めているうちにできてしまった大ヒット曲のように聞こえる。
80年代・みんながテレビを見ながら歌い踊ったあのころの大ヒット曲のようだ。
うねるようなピアノの音がサラブレッドの光る筋肉の隆起を思わせる。

【ピアノソナタ第24番 「テレーゼ」 Fis dur】

 とくにベートーベンと親しくしていたブルンスヴィック伯爵家の令嬢テレーゼのために書かれた美しい曲だ。テレーゼはベートーベンの友達であり心の恋人でもあったけれど、それは永遠に続く列車のレールのように決してひとつにはなれない、せつないものであったようだ。
ベートーベンにとっておそらくテレーゼはいつも壁にかかった肖像画の中にいた。
だからこそこの曲はいつまでも美しさを保ち続けていられるのだろう。
光を思わせるさらさらとしたピアノの音は美しさとせつなさを同時に描いた一枚の絵のようでもある。

Copyright(c) 2007/09/01 by nishio-pc