Beethoven on my hands vol 3 ルートヴィヒの叙情 田園

田園


★ 販売終了しました。 ★

【 曲目 】 試聴できます♪

■ CD紹介

今回の録音からピアノが1クラス大きくなり録音スタジオも広いところになりました。そのため音がよりダイナミックになりました。
今回の演奏はベートーベンの(やや熱すぎるともいえる)個性がぐいぐい前に出てくる感じで、ぜひ大きな音で・できれば一緒に叫びながら聞いてほしいなと思います。
h2>■ 製作スタッフ Piano Yoriko
Photo Ken'ichi nishio
Design Yasuyo tanioka
Record Studio fermata
Planner Ken'ichi nishio
price \1200.

■ 楽曲解説

■1.ベートーベン ピアノソナタ第5番

ベートーベン20代初期のころの作品だろうか。第1/第3楽章では叩きつけてくるような若いパワー、そして第2楽章では溢れ出る才能の目ざめを感じさせる。ハイドンやモーツァルトにも師事したといわれるベートーベンだが彼の性格を思えば、そこに満足してしまうことはとうてい考えられないことだったろう。
この曲は現状という壁を叩き壊して「おれ流」を世にたたきつけたベートーベンの挑戦状のようにも聞こえる。はっとりよりこ氏のピアノは、こんな作品のイメージを鋭く激しく伝えてくれている。

■2.ベートーベン ピアノソナタ 第15番 田園

これはあの有名な「月光」の直後に作られた曲で、どちらのタイトルも出版社が勝手につけたもののようだが、私は田園よりも「生きる人々」としたほうがしっくりくるように思えた。この作品が生まれた当時は階級社会であり音楽は貴族のためのものであったがベートーベンは自分の音楽を一般大衆にも広く聞いてほしいと常に願っていたようだ。
この曲は・街の市場のにぎわい、洋服や布を売る店、農機具や荷車を作るかじや、畑で麦を作る人々そして夜の酒場の灯火・街を行きかう男と女そして子供や老人たちの笑い声が聞こえる・そんな街の雑多な風景とそこに力強く生きる人々を描いた絵のようにも聞こえる。

■3.ベートーベン ピアノソナタ 第26番 告別

この曲のタイトル「告別」はベートーベン自身がつけたといわれている。友人でありスポンサーでもあった当時のオーストリア皇帝との別れと再開を表現したものだといわれているが本当は恋人への思いを切々と描いた恋文なのではないだろうか。
 彼の死後に隠し戸棚から発見された女性の肖像がと謎の恋文は現代でもさまざまな憶測を呼んでいるが、その中で最も有力視されているのは実業家を夫にもつアントーニャ夫人である。彼女は当時心身症を患い夫とは別居していて事実上は離婚状態だったようだが、表には出すことのできない思いだからこそ謎の恋文になり、この曲にも形を変えて現れたのではないだろうか。
「告別」は別れ - 不在 - 再開 という3楽章の構成になっているが恋人アントーニャとの物語はこの逆の順ではなかっただろうか・・本当の別れは次に続くピアノソナタ第27番で最も切なく表現されているように思われる。

Copyright(c) 2007/09/01 by nishio-pc